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フランク・ロイド・ライトの人物像と代表作

アメリカの近代建築の巨匠「フランク・ロイド・ライト」

フランク・ロイド・ライトとは、フランスのル・コルビュジエと並び、近代建築の巨匠と言われたアメリカの建築家です。
建築に興味がない人も、名前くらいは聞いたことがあるのではないでしょうか。

フランク・ロイド・ライトは、1867年ウィスコンシン州生まれ、ウィスコンシン大学マディソン校土木科に入学するも中途で退学、建築家ジョセフ・ライマン・シルスビーに師事します。
1年程でアドラー=サリヴァン事務所へ移った後、その才能を発揮し、数々の住宅設計を任せられるようになりますが、後に独立して事務所を設立します。
独立後は名声を得ながらもいくつものトラブルに見舞われ低迷していたフランク・ロイド・ライトですが、1913年帝国ホテル新館設計の仕事により転機を迎えます。

経営陣との衝突により結果的に完成を待たずして日本を離れることになりましたが、その後70代を迎えた1936年には「カウフマン邸(落水荘)」や「ジェイコブス邸」を発表しています。
このカウフマン邸(落水荘)、ジェイコブス邸を含む他8件の作品は、後にフランク・ロイド・ライトの20世紀建築作品群として世界遺産に登録されています。
訪日経験もあるフランク・ロイド・ライトは、浮世絵のディーラーとしても有名です。

フランク・ロイド・ライト建築の特徴

フランク・ロイド・ライトは常に自然をテーマにした設計を行い、建物と環境、土地など周囲との融和を考慮した建築が特徴です。
自然を活かすというだけではなく、自然と建物の融合であり、自然が住まいや暮らしに取り入れられた「共存」する外観・内装にこだわっています。
長い建設家としての歴史の中で、そのスタイルは様々な変化を遂げていますが、基本的にはモダニズム建築の流儀を組むもので、幾何学的な装飾、自然をお手本にした流れるような空間デザインが魅力です。

フランク・ロイド・ライトの代表作「ヨドコウ迎賓館」

フランク・ロイド・ライトは日本にも作品を残しており、有名なのは1974年に重要文化財に指定された「ヨドコウ迎賓館」です。
もともとこのヨドコウ迎賓館は灘の酒造家の別邸としてフランク・ロイド・ライトが設計した建物でしたが、後に依頼主の手を離れ、3代目となったのが株式会社淀川製鋼所、ヨドコウです。
後に取り壊してマンション計画も持ち上がりましたが周囲の働き掛けによって保存修理工事が行われ、大正年間の建物として現在までその姿を残しています。

帝国ホテル同様、ヨドコウ迎賓館もフランク・ロイド・ライトは完成を見ることなく帰国していますが、彼の作品は大切にメンテナンスされて保存されています。
兵庫県芦屋市にあるヨドコウ迎賓館は1989年から一般公開されており、歴史的な彼の作品を間近で見学できますので、ぜひ興味のある人は神戸観光の際にでも立ち寄ってみてください。

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