建築ムーブ

建築業界を目指す人に向けて、業界情報を発信する情報サイト

ゼネコン

工事全体のとりまとめを行う建設業者

ゼネコンとは「general contractor(ゼネラルコントラクター)」の略称で、工事を請け負う契約者という意味です。
もともとはゼネコンという言葉は不動産業界ではじまったものですが、最近では産業構造の変化もあってIT業界で同じような役割をする「ITゼネコン」という仕事も出てきています。

ゼネコンという仕事を理解するには、まず日本における建築不動産業界のしくみからきちんと知っておく必要があります。
公共建築のような大きな建物・施設を作る場合には、それ相応の資本力や技術力を持ったところが受注する必要があります。

ですが一社だけでは必要な技術の全てを用意することは難しく、結局は複数の専門的な技術を持った中小企業などにそれぞれ依頼をしなくてはいけません。
そのためその工事を完成させるために指揮を行う元請け企業が必要になってきます。
この発注元と直接交渉をする役割をするのがゼネコンというわけです。

大手ゼネコンは地方などの複数の施工業者とつながりをもっており、自社が受けた工事について金額や技術に従ってどこに下請けしていくかということを判断していきます。
下請けを依頼する中小企業からの見積もりなどを集めて最終的にその建物が完成するまでにどのくらいの費用や期間が必要になるかということを決めていくのもゼネコンの仕事というわけです。

補足的に言えば最初に述べた「ITゼネコン」とはこれが不動産ではなくIT関連技術になったもので、一つの大きなシステムを完成させるためにどこにどんなプログラムを依頼するかといったことをまとめて受注する企業ということになります。

日本のゼネコン

日本における大手ゼネコンと呼ばれる企業は、清水建設・鹿島建設・大成建設・大林組・竹中工務店の5社となっています。
しかし現在では高度の技術と資本が不可欠な工事が一時期に比べてかなり減少したこともあり、それらの力は弱体化する傾向にあります。

かつて悪者扱いされてしまったのは、かつて金丸信もと自民党副総裁が大手ゼネコン各社から工事受注のための賄賂を多額に受け取っていたことが発覚したためです。

また巨大資本を元に工事を受注し、下請け、孫請けと買い叩いた費用で工事を出していたというようなこともまた悪いイメージのもとになってしまったようです。
ですがゼネコンというしくみ自体は消して悪いものではなく、巨大建築物を作るためには必要なものです。

Comments are closed.