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コンクリート技士ってどんな資格?

業務としてコンクリートを取扱う上で求められる資格

コンクリートを製造したり、同構造物の施工をしたり、検査並びに管理を行うに際して、継続して日常技術業務を行うスキルを有するエンジニアであることを証する資格がコンクリート技士で、実施主体は日本コンクリート工学会です。
近年の建設技術の進化に歩調を合わせて高度化、多様化、複雑化するコンクリート工事施工を担当する建設エンジニアにとって必須とも言える資格です。

また、有資格者はコンクリート関連の多岐にわたる知識・ノウハウと豊富な経験を有するため、工事や建築物に対する信頼性向上や作業の効率化の面でも活躍が期待されるのです。
難易度はやや難しいランクに分類できます。

さらにこの資格にはワンランク上の主任技士が設定されていますが、こちらは技能業務というより、製造・施工のプランニング、研究、指導等ハイレベルな見地から業務に携わります。
その分主任試験の難易度もグッとアップします。
またよく似た名称に診断士がいますが、こちらは構造物に関する診断を業務とする資格で難易レベルは格段に高い難関です。

資格を取得する魅力

第一に各方面から高い評価を受けていることが挙げられ、多数の有資格者がコンクリートの製造から工事施工の第一線の現場で活躍しておりそれぞれの場所で高く評価されています。
コンクリートはたとえ木造住宅といえども重要な基礎部分に使われるなど、国民生活の基盤作りになくてはならない建設材料となっています。

第二にニーズが多いことが挙げられ、技術の進歩はとどまるところを知らず、ますます巨大化、多様化を続けるコンクリート建造物・構造物に対応し、高い施工スキルが求められます。
コンクリートや同材料を使用した建造物の耐久性に関する信頼性を高めるためにも、この有資格者に対する需要は高いものと言えます。

コンクリート技師試験の概要

受験資格は、修了課程などの制限はないのですが、実務経験3年以上とされ、一定の関連学科卒業者は2年以上と短縮されます。
申込受付期間は例年8月上旬~9月上旬頃で、試験は年に1回、例年11月下旬の日曜日に実施されます。
試験地は、札幌や仙台、東京、名古屋、大阪など各エリアの主要都市9会場で実施されます。

出題形式は、筆記試験で四肢択一式と正誤選択式で行われ、2時間30分の制限時間で行われます。
試験科目は、土木学会の標準示方書にもとづくコンクリートの材料や試験、施工関連の基礎レベルの知識と理解力、ならびに関連する法令について知識を試す試験です。
合格基準点数は非公表ですが、合格者の感覚では70点以上の正解率が求められると言われています。
合格率はこの数年30パーセント前後で推移しています。