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地質調査技士ってどんな資格?

ボーリング調査のスキルを認定

土木や建設を目的とする調査業務や災害予防や復旧を目指す防災業務、道路・トンネル設備など関連施設や設備の保守点検業務など広範な分野で活躍する資格です。
社団法人の地質調査連合会が試錐技術者などの地質調査を担当する技術者をターゲットとして検定試験を行い認定する資格です。

1966年に全地連という団体が検定試験制度を創設し、それ以来約2万1千人の合格者が誕生しているという歴史の古い制度です。
2015年度以降は、国交省の公共工事関連調査・設計などのクオリティ維持に貢献する技術者資格として登録されました。

地質調査現場で行われる具体的な個々の作業は、各現場で積み上げられた情報が以後の地盤関連判断に際してベースとなる基幹情報で、担当者の知識やスキルの上達が求められるのです。

地質調査技士が活躍する分野の拡大

当初は建設がメインの目的であった調査業務も拡大を続け、防災業務、土壌や地下水の危険物質による汚染調査や環境回復関連業務、自然界の地下資源調査など幅広くなっています。
2015年以降の国交省の登録により、資格を持つ者の配置が国や地方自治体の公共事業の入札に参加する要件とされるなど、活躍分野の拡大に伴い、期待が高まっている資格です。

活躍フィールドの拡大に伴う試験制度の見直し

試験制度の開始時点ではボーリング技術者をターゲットとした認識で運営されてきたのですが、地質調査の周辺業務の移り変わりで、受験希望者は、防災関連を担当する技術者等に拡大してきました。
特に最近の、震災や豪雨被災などによる道路や電気・ガス設備などインフラの維持・管理・復旧などが重要課題となっています。

また、高度成長期に普及が進んだ社会資本整備の老朽化も伴い、地質調査業務の重要性は増しています。
このような社会の要請に対応し、調査依頼者が求める技術者を輩出できるようこの試験制度も見直しが行われ、受験部門制の導入等が行われました。

検定試験の概要

検定試験はフィールドごとに「現場調査」ならびに「現場技能とマネジメント」、「土壌と地下水汚染」の三つの部門に分類されて行われ、部門ごとに受験資格が異なります。
現場調査部門では、地質調査を目的としたボーリング機械器具のオペレーター実務が5年以上という1つの要件があります。

現場技術・管理部門では、大学あるいは高専の土木建築などのカリキュラムを修了した者は、3年以上の地質調査を目的とした計測などの実務経験が要件の1つに定められます。
土壌・地下水汚染部門では、大学あるいは高専の土木建築などのカリキュラムを修了した者は、3年以上の当該汚染を含む実務経験が要件の1つとして定められます。

例年、4月10日頃から1か月間受験願書の受付が行われます。
試験日は7月の第2土曜日で試験実施会場は、札幌、仙台、東京、名古屋など全国10会場で行われます。
合格発表は9月10日頃です。
なお、受験料は1万2千円です。
この資格は一度合格すれば永久に有効なわけではなく登録更新の手続きが必要で、資格の有効期間は5年間です。