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設備設計

使いやすさの向上

建物の外観部分と、内部の安全性を確保する構造部分が確定したら、次に決めるべき項目は内部での使い勝手を向上させるための設備の設計です。
設備設計とは、その建物を使う人にとって必要となる電気や水道、ガス設備や電話配線などを具体的に配置していく作業です。

図面上にはその建物の内部に入る機械設備の配置や配管・配線といったことが示されていきます。
こちらも実施設計のための書類の一部として必ず添付されるものです。

配管・配線の設備は使い勝手の他に防火面で重要な役割を担うため、配置のためには消防法に基づき、万が一のときに危険がおきにくいよう割り振りをしていかなくてはなりません。

設計の手順

主に設備設計で作成される図面は2つあり、それぞれ「電気設備図」と「空調設備図」があります。
電気設備図では、室内のコンセントの位置や照明の位置などが定められ、他に最初から設置されることになる電気設備の位置も示されます。

空調設備図は吸気口や排気口などを含めた、空調機器類の周辺の配置を示します。
私達はある建物を利用するときにはごく当たり前に電気やガス、水道などを利用していますが、これらの配置はどこにあっても同じというわけではなく、建物の構造をふまえた適切な配置によって成り立っています。

見た目のよさそうな住宅であっても、どうも居心地が悪かったり、使いにくいと感じることが多い住宅というのは、この設備設計がうまくされていないということがほとんどです。

住宅やオフィスなどの建物においては特にこの設備設計の良し悪しが建物の価値を大きく変えるものになっているため、できるだけこだわりをもって設計ができるようにしておくことが大切になります。

また最近では従来までのライフ・ライン設備にプラスして、ケーブルテレビやインターネット環境を最初から住宅内部の設備として設置するケースも増えてきています。
後付でこれらの設備をつけようとすると部屋ごとに配線や工事が必要となってきてムダが多くなるのですが、建築時に一緒に配置をしてしまうことで余計な配線が表に出ることもなく、快適に使用をすることができます。

他にもエコジョーズなどオールユニットタイプのガス設備など、住宅全体で利用できるようにすることでよりお得に光熱源を作ることができる便利な設備もあります。

参考サイト:エコジョーズとは(東京ガス)

それらの中から使う人の都合や手間に見合ったものを提案していくことも、これからの設備設計担当者にとっては重要な項目となってきます。