建築ムーブ

建築業界を目指す人に向けて、業界情報を発信する情報サイト

デイヴィッド・チッパーフィールド

イギリスを代表する建築家の業績

デイヴィッド・チッパーフィールドは1953年ロンドンに生まれました。
この年生まれの建築家はフランスのドミニク・ペローが居ますが、その個性は真逆に見えて目指すところは似ています。
都市計画を専門とするベローが街の景観や歴史と融合しつつも近代的な建築物を作り出し、チッパーフィールドはイギリスの農家の風景が根底にありつつも、都会の刺激への憧憬が共存しています。
矛盾する様にも思われる農村と都会という二つの風景がチッパーフィールドの建築の中にも見えるのです。

日本国内にもチッパーフィールドが手掛けた建築物がたくさんあります。
最も古いもので京都のTAKビル、岡山のまつもとコーポレーション新本社屋があります。
TAKビルは京都の景観を配慮して一階部分は木造構造になっており、全体にグレート黒のシックでコンパクトな建物に仕上がっています。
岡山のまつもとコーポレーションもチッパーフィールドの個性が生かされ、鉄筋コンクリートの二階建てビルで、黒とグレーが貴重のシックなビルです。

伝統と近代都市

最初のクライアントは日本の三宅一生、ロンドンで店舗を構える彼の店舗をデザインしたのでした。
その際に日本を訪れ文化に触れたことが、その後の彼の建築デザインに影響を及ぼしたと語っています。
安藤忠雄の建築から強いインスピレーションをえ、現代建築に伝統を織り込むスタイルに刺激を受けているのです。

この体験が、自然と都会を融合した新しい建築スタイルが生まれたのでした。
現在は中国で多くの建築物を手掛けていますが、日本での経験が生かされているとチッパーフィールドは語ります。
中国では建築の規模が巨大であるにも関わらず、システムに問題があり、日々変化する中での仕事を10年も続けているのです。

そこでも伝統と近代都市という二つのテーマが表れます。
中国人は歴史的価値のある建造物に対して敬意を表し大切にしていますが、反面、北京や上海の様な巨大都市は超近代的な建築物が急増しています。
中国の伝統を守りつつ年の近代化が求められる難しい仕事なのです。

大英帝国勲章受章

イギリスの農家に生まれたチッパーフィールドは、現在イギリスを代表する建築家として世界で活躍していますが、2004年にはその功績が認められ大英帝国勲章が授与されました。
日本や中国のアジア圏は現在建築家にとって最も大きな市場となっていますが、歴史的建造物の多いヨーロッパにおいて、チッパーフィールドの個性は需要が高く、今なおイタリアを中心に活躍しています。
また、大西洋を渡りアメリカでも美術館や博物館の建築を手掛けており、世界を股に活躍する現役の伝説的建築家なのです。

Comments are closed.