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ル・コルビュジエの人物像と代表作

モダニズムの革命家「ル・コルビュジエ」

ル・コルビュジエとは、1887年スイス生まれ、フランスで活躍した世界的に有名な建築家です。
ミース・ファン・デル・ローエやフランク・ロイド・ライトと並び近代建築の三大巨匠と称され、様々な業績を世に残しています。

時計職人の父の影響もあり、ル・コルビュジエは家業を継ぐつもりでしたが、視力が弱かったこともあり画家になる道を選び美術学校へ入学します。
ですが校長により在学中に才能を見いだされ、建築家ルネ・シャパラの仕事を手伝うようになります。
1908年は活動の場をパリに移し、鉄筋コンクリート建築で知られるオーギュスト・ペレに師事、1910年にはペーター・ベーレンスの事務所で建築を学びます。

1914年には「ドミノシステム」、いわゆる鉄筋コンクリートの住宅建設方法を発表し、1917年から2年ほど鉄筋コンクリート会社に勤務しています。
雑誌を創刊するなど幅広い活動を展開するル・コルビュジエでしたが、1922年いとこと共に事務所設立を果たし、1965年に78歳で没するまで精力的に作品を残しています。

ル・コルビュジエが提唱する「ドミノシステム」とは

オーギュスト・ペレの元で経験を積んだル・コルビュジエは、1914年にスラブと柱、そして階段を軸とするドミノシステムを考案したことで機能性の高いモダニズム建築を提唱します。
かつて西欧の伝統建築と言えば石やレンガ造りが主流でしたが、主要要素の異なるドミノシステムが誕生したことで、新たな概念が生まれたことになります。
そのドミノシステムを採用した1931年の代表作「サヴォア邸」は、近代建築の五原則が体現されている作品として高い評価を受け、後に世界遺産に登録された最高傑作の建築物です。
ちなみに五原則の要点は、ピロティと自由な平面・立面、水平連続窓、そして屋上庭園です。

建築に留まらないル・コルビュジエの活躍

建築家として活躍する一方、ル・コルビュジエは画家としての活動も続けており、1918年に画家デビューを果たした後、1920年にはレスプリ・ヌーボーを創刊して自らの著作を掲載します。
「ル・コルビュジエ」という名前はこのときから使うようになったもので、本名はシャルル=エドゥアール・ジャンヌレ=グリと言います。
1929年にはいとことシャルロット・ペリアンのコラボ商品としてLCシリーズという家具も発表していますので、分野を問わず才能を発揮していたことになります。

ル・コルビュジエの建築家としての代表作は、サヴォア邸をはじめドイツのヴァイセンホーフ・ジードルングの住宅、ベルギーのギエット邸、フランスのナンジュセール・エ・コリ通りのアパートなどが有名です。
他ロンシャンの礼拝堂やラ・トゥーレット修道院、日本の国立西洋美術館を含む7ヶ国17点にも及ぶ作品が世界遺産に登録されています。

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