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伊東豊雄

世界で活躍する日本の建築家

世界で活躍する伊東豊雄(いとうとよお)氏は、1965年に東京大学工学部建築学科を卒業し、74歳で今なお現役の建築家です。
高松宮殿下記念世界文化賞や日本建築学会賞作品賞、グッドデザイン大賞など数々の賞を受賞し、その作品は高く世界でも高く評価されています。
最近は国立競技場の問題で、建築家として意見を求められる事が多くテレビに露出する機会が増えた為、建築に興味がない人にも知られています。

一流は一流と繋がるのか、陶芸家の里中英人さんが自身のアトリエの建築を伊東氏に依頼し、1981年に住居を兼ねるアトリエが完成しました。
茨城県笠間市にあるので笠間の家と呼ばれていますが、壁面は円弧を描き、室内は天井が屋根の形状をなしているという斬新なデザインで、シンメトリーになっていないのが特徴です。
小さな天窓から注ぎ込む光は側面の壁に当たり、他には見当たらないデザインで1984年には日本建築家協会新人賞を受賞しています。

拘りは自宅にも見られます。
伊東氏の自宅は東京にあり、シルバーハットと名付けられた鉄筋コンクリート製の家で、鉄骨の屋根に日差しを通すカバーが架けられており、晴れた日には外すことができるため、天気を気にせずに中庭でお茶を飲むことができるようになっています。
独特でありながら居心地の良い空間となっているのです。

東京周辺で目にする変わった形のビル

表参道や銀座など、散歩の途中で変わった形のビルを良く目にしますが、その内の何棟かは伊東氏の作品です。
例えば表参道のTODSはガラスの箱に樹木の枝の様なコンクリートが印象的ですが、周辺のケヤキの木を模したと言われています。
また、銀座のミキモトはす故に穴が開いている様なデザインが特徴的で、外壁は淡いピンクという個性的なビルなので、かなり目立つのにも関わらず周囲に溶け込んでいます。

横浜に元町・中華街駅というみなとみらい線の駅がありますが、トンネル型のホームの壁面には横浜港の絵が描かれており博物館の様であり、ホームに繋がるエスカレーターとのコントラストがシンプルながら特徴的な構造になっています。

海外の作品

伊東氏が手掛けた海外の作品の代表として、シンガポールのショッピングセンターVivo Cityが有名です。建物そのものがまるで波打ち際の砂浜の様になっていて、不規則な曲線が特徴的な建物です。
3階には浜辺を模した浅瀬のプールがあり、ズボンのすそをめくりあげて水に浸かることができる様になっており、ショッピングに疲れたお客さんの憩いの場になっています。
型にはまらない形状でありながら、リラックスできる癒し空間となっていること、周囲の景観に溶け込むデザインであることが特徴です。

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