公共事業の増加
現在、コンクリートから人へという政策を推し進めていた民主党から、自民党へ政権がうつり、安倍内閣総理大臣の推進する経済制作である、アベノミクスの政策の1つにより公共事業の発注数が増加しています。
この政策により、20年近く低迷が続いていた建設業界にも、回復の望みが表れたといえます。
さらに追い風のごとく、2020年に開催される東京オリンピック、東日本大震災の復興、リニアの工事など、多くのイベントが目白押しです。
一見すると低迷からV字回復をする可能性がありますが、建設業界がこの追い風にうまく乗りこなせないでいます。
それは何故かといいますと、人材がまったくいないのです。
20年間の景気低迷時に、少ない仕事を確保するために、建設業界ではダンピングを繰り返してまで競争を繰り広げた結果、末端の労働者にしわ寄せがきてしまっています。
人材不足と賃金
現場で作業をするよりも、小売店で販売をしていた方がもうかるので、そちらへ転職する方も多くいます。
働いても、働いても、年収が上がらず、現場の職人をまとめる親方ですら以前のように給金を得ることができなくなっているのです。
最終的には、生活保護を受けていた方が儲かると考えるような方もいるので、建設業界では新しい人材が育っていません。
現在、アベノミクスにより仕事の供給は増えたが、ダンピングをしていた影響で利益率は高くなく、一見すると好景気のように見えますが、見かけだけであり、実情は依然と変りがないようです。
人材が育っていませんので、現場監督のような経験を必要とする、現場全てを一貫して管理する監督する人材も育っていません。
現場監督の仕事は多岐にわたり、テキストは出版されておらず、仕事は自分で経験を積んで、また先輩たちから教わり、覚えていくのが一般的です。
しかし、人材がいませんので、教えてくれる人も少ないというのも問題です。
仕事を簡略化するために、現場に散らばる職人の情報を一元的に管理するツールが必要となっていきます。
一元管理のツール
そのツールの1つが、無線機です。
このようなツールに頼っても、少しでも現場監督の負担を少なくする必要があります。
東京オリンピックの開催が決まっていますが、実際に仕事の発注を受けるまでには数年後であり、リニアは長期間の工事となるので、建設業界は喜ぶことができないでいます。
そして、建設業界は前回の東京オリンピック終了後に陥った、建設不況に再び陥らないように、様々な手を現在模索中なのです。
しかし、現状では人手が圧倒的に不足していますので、東京オリンピックが終了した後の、経済不況を考えるより、人材をたくさん集めるという目先の問題を解決しなければいけないのでないのでしょうか。