基準を新しく設定する機関
建築に関する仕事はいろいろありますが、新たに開発された建築方法や定められた建築基準について調査・研究していくのが「建築研究所」の仕事となります。
建築研究所という名称の施設は全国にたくさんありますが、中でも最も規模が大きいのが独立行政法人の「建築研究所」という団体です。
そちらでは施設内の実験施設を用いて実際の災害時などでの建物の強度はどのようなものかを検証したり、建築に関する資料を展示したりして国内・海外の建築情報を手広く紹介していく業務を行っています。
よくテレビなどで模型建物が地震にあったときにどのような動きをするかということを検証する映像を見かけますが、そうした専門的な装置の多くはこの建築研究所内におけるものを使用しています。
独立行政法人 建築研究所では、現行の建築基準法に基づく技術基準を調査していくことにより、建築に関するあらたな立法の手伝いをしていきます。
施設内には世界最大規模の実大建造物実験棟があり、そこで実験のための建物を作成して倒壊や損壊のメカニズムを日々実験しています。
また災害時だけでなく、住宅建築における省エネルギーや防火対策、バリアフリー化といった新しい住宅基準についても研究開発を進めているのです。
情報発信も行う
また建築研究所では、国が実施している技術基準策定のためのプロセスに参加するとともに、全国で建築技術に関するセミナーやシンポジウムを開催し、現在建築業界で働いている人たちに対しての情報発信をしています。
研究所のメンバーとしては、環境や資材の専門家が名を連ねておりそれぞれの専門分野を生かしつつ横のつながりを持った建築の研究をすすめているところです。
最近では日本国内だけでなく世界的な視野での災害に強い住宅を建築するための方法を研究するとともに、現地活動に参加をして開発途上国での技術者育成のための活動も行っています。
日本国内でも建築の他、建築事業に関わるCO2の測定や省エネ住宅のための計測をする評価事業を研究所指導で行っています。
一方で、国の機関とは別に民間の事務所として建築研究を行っている企業も全国にはあります。
全国の建築研究所では、地元の土地や伝統的な工法を尊重しつつ、その土地にあった住宅建築や都市計画をしていくための研究を行っています。
地方においては農業や林業とマッチングした土地建物の活用方法を提案するためのコンサルティング業務などを行っているところが多くあります。