多くの人が集まる施設には消防設備設置の義務
多くの人が集まるシアター、百貨店、ホテル等の建築物は、その用途や収容可能な人員に対応出来るスプリンクラーや火災報知設備等の消防設備の設置が法令で定められています。
具体的な消防用設備等は、簡易なモノでは消火器や感知器、大規模なモノでは全館スプリンラーや火災報知システムなどが挙げられます。
消防設備士の資格は取り扱える設備によって、甲種と乙種の2つの種類に分けられています。
甲種・特類の資格を持つとスプリンクラーや火災報知器など一般の消防機器だけでなく新たに開発された消防設備についても工事や保守を行うことが出来ます。
これに対し、乙種のケースは従来の消防用設備の設置や保守を行います。
免状は甲種と乙種だけでなく特類から第7類まで分けられており、合計13種類ありそれにより携わる事が出来る設備は細かく分けられます。
個別の消防設備に携わるには、該当する類の資格を取得しておかなければいけませんので、気を付けましょう。
この資格は一度取得すればそれでよいというわけではなく、消防設備の進化に対応すべく新しい知識やスキルを学ぶため一定の期間毎に講習の受講が義務付けられます。
消防設備士の魅力と将来
ビル管理や保守点検業務を行う会社にとってはなくてはならない資格です。
近年のビルは多様化しており、また防災関連設備も進化を続け多岐にわたるスキルや知識が必要とされ、消防設備士の重要性も高まりが見られます。
また、この資格は国家資格なので全国どこでも消防設備士として活躍出来ます。
さらに消防設備士の資格を持てば防火管理技能者などの関連講座の受講資格が与えられ、スキルアップの礎とすることが可能です。
甲・乙の種類や「類」により異なる受験の仕組み
乙種の場合は受験資格に要件が定められておらず、誰でも受験可能ですが、甲種の場合は業務関連学科の大学を修了していることや乙種を取得後実務経験2年以上などの要件が細かく定められます。
また、電気工事士や建築士などの一定の国家資格取得者が、受験資格と認められものもあります。
試験の方法は、1.筆記試験がマークシートを使った四肢択一方式で、2.実技試験が写真や図面等による記述方式式です。
類などの区分に応じて試験内容も異なるため、試験時間に大きいもので二倍もの差が設けられています。
合格率は、甲種で30パーセント程度、乙種が40パーセント程度で、難易レベルは比較的低いと言われます。
特に既に持っている資格により多くの学科試験が免除される制度があり、対象となる有資格者は有利です。
合格ラインは、各科目40パーセント以上かつトータルで60パーセント以上、さらに実技試験でも60パーセント以上の正解が必要です。