土地・家屋に関し表示登記を代行できる
法務局で取り扱う、土地や家屋の表示の登記手続きを代行出来る国家資格で、これを業務として行う上での独占資格です。
表示の登記は、土地・建物の現状の姿(地積や家屋の構造)を測量・把握し、その記録を法務局に対し申請する一連の手続きです。
また、表示の登記に限定されず、土地と隣地との筆界の特定手続きも代行できます。
さらに、法務局の下した処分に対し不服申し立ての代行をすることも可能で、生活する上で重要な資産である土地や家屋に関する法務手続き業務の独占代理権を持つ事は、大きな経済的メリットを伴う資格です。
測量士との大きな相違点は登記を申請できるか否かで、司法書士との相違点は申請出来る登記の種類が異なる事です。
所有権や抵当権等、法律関係の権利に関する登記は司法書士が行います。
土地家屋調査士の国家試験の概要
解答の選択肢を選択する択一式問題と、実際に申請書を作る記述式の2種類の試験が実施されます。
この試験には、受験資格がなく、未成年者でも日本国籍がなくても受験することが出来ます。
合格ラインとなる点数は年度により差があり、絶対点数ではなく、得点上位者から順に一定者数が合格するシステムが採用されています。
試験は基本的に1日をかけて行われ、科目は午前の部として平面測量が10問・作図が1問出題され、午後の部として民法や不動産登記法など基本法令が20問、土地・建物の申請書作成実技がそれぞれ1問出題されます。
実際は大半の受験生が測量士補の資格を取得した上、科目免除制度を活用することで、午後の部として行われる基本法令の択一式問題と土地建物の申請書作成実技だけを受けます。
難易度の位置付けが困難な試験
試験科目の中で、民法や不動産登記法など基本的法規の択一問題は、記憶が中心ですので法理論を理解して論理的に覚えれば正答出来ますので、キッチリ勉強をすれば点数を稼ぐことは出来ます。
ところが、土地の申請書作成実技が意外に「くせもの」ですので過去問などを繰り返して、問題文をしっかり読んで解答するようにしましょう。
合格率は例年約、8パーセント前後で推移しており、人数では400人程です。
受験予備校の有効活用
一般的に言えば、資格試験受験の独学はあまりおススメできません。
独特の思考パターンを習得してポイントを押さえて回答する必要があるからです。
資格試験予備校は受験生を合格させるためのプロであり、合格のノウハウを蓄積しており、この試験レベルではなおさら強く言えます。
独学はコストがかからないメリットを持ちますが、年に1度きりの試験であり、予備校を効率よく活用して短期で合格した方がベストです。
仮に独学を選ぶ場合でも、答案練習会だけでも受けるメリットはあり、自分のウィークポイントを把握するチャンスになります。