中小企業同士の連携を促す
設計監理協同組合とは、設計事務所として営業をしている中小の事業所同士が業務を行う上で必要になってくる連携を行っていくための組織となっています。
設計事務所の中には、建築だけでなく造園などそれぞれ専門とする分野があるため、大きな建築物などを担当するときには、そうした複数の事務所が連携をしながら仕事を進めていくことが必要になってきます。
また同じ分野の設計事務所同士が組織をつくることにより、それぞれの事務所内の技術向上や市場ニーズの把握をしていくことができます。
急に仕事が多く入ったようなときにもそれらを分担などすることもできるので、個人だけで営業をするときよりも受注できる仕事の幅を大きく広げることができるというメリットがあります。
役割の大きくなっている団体
近年この設計監理協同組合の役割が大きくなってきている背景として、耐震偽装や震災などの建物の強度が問題になることが多くなってきたことにより、設計事務所にこれまで以上の技術力が求められるようになってきたということがあります。
新築される建造物については一定の技術水準が求められますが、このレベルは年々高まる傾向にあります。
さらに建築物内部の仕組みにおいても、デザイン性と利便性を一致させるといった高度な仕様が組み込まれるケースもよくあり、個人単位での事務所ではなかなか対応しづらい状況となってきています。
そこで設計受注の安定を確保するとともに、技術力を底上げしていくという目的で設計監理協同組合は総合的な窓口としての役割をしていくことになります。
県単位が主
設計監理協同組合は全国にありますが、ほとんどが県単位で組織されています。
都道府県内に存在している数十の事業所が組合員になることでそれぞれの活動をしていくのは、官公庁からの建築依頼を受けやすくするという狙いがあるためでもあります。
またその地域の設計事務所で連携をすることにより、その土地に必要な気候や風土に基づく設計をしやすくしていくという機能もあります。
設計監理協同組合では、建築に関する企画立案を作成するだけでなく街全体の地域開発を担っていくこともあります。
各種建築物についての基本設計~施工までを担当するとともに、定期的にその建築物の安全性をチェックしたり保全調査をしていったりします。
これから建築を依頼する人にとってもそうした組織に所属している事務所というのは信頼感が高くなりますので、そうした組織は十分に活用していきたいところです。