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リカルド・レゴレッタ

メキシコの太陽を思わせる原色の建物

国によって街の色というのがありますが、メキシコを色で表現するならば太陽の色であるオレンジと海の色である青でしょうか。
メキシコ出身のリカルド・レゴレッタが手掛ける建築物は原色が多いのが特徴です。
赤や黄色、青などの原色で彩られた建物は、光の魔術により変化して見えるのが特徴的です。

色のみならず、オブジェによって空間を演出することで、他にはない独特なスペースとなるのです。
リカルド・レゴレッタの名を有名にしたのは、メキシコシティのホテル、カミノ・レアル・ホテル・メキシコシティでしょう。
鮮やかな濃いピンクと黄色の壁、噴水を取り囲むブルーの床など、非日常的な空間を演出しています。

ジャパン・ハウス

世界にも類を見ない色づかいが独特な建築家で、メキシコの大地を思わせる色彩と光のコラボレーションが多くの建築ファンを魅了します。
活動領域はメキシコ国内にとどまらず、中南米やアメリカ、フィリピン、中東など幅広く活躍していました。
2011年80歳で他界、最後の大きな仕事が逗子にあるジャパン・ハウスで、白い壁と青い海のコントラストが美しい建物です。

ジャパン・ハウスの内部はまるで絵本の様な色彩で、海が見える窓は一面の壁に複数あり、形状も位置も計算されていて、特別な感覚を与えてくれます。
室内の照明の光と壁の色、外の海の色は時間と共に変化し、一日中室内にいながらリゾート気分を満喫できる空間になっています。
この色が、レゴレッタがイメージする日本の土地の色と言うことになるのでしょう。

個性的で大胆なデザイン

レゴレッタの建築はいずれも独特で、似ているものがあまりありません。
一つとして何かに類似していないというのに、それがレゴレッタのものだとわかることが何よりも不思議です。
独特な形状で有名な建築の一つに、ニカラグアのマナグア大聖堂があります。

一見トルコのイスタンブールで良く見かける、ビザンチン様式のドーム型のモスクを思わせます。
個性的なデザインの意図するところは、建築物を見た人の気持ちを癒すことにあります。
貧富の差が激しく貧困層を多く抱え、経済的に貧窮している中米ならではの建築家の想いがそこにあるのです。

土地との融合

いずれの建築家も同じ課題を抱えています。
周囲の景色と融合しつつ、近代的な建築物であるという課題です。
レゴレッタもこの課題を見事にクリアしている建築家であり、どの土地のどの建築物も大胆で個性的でありながら、周囲の景色に溶け込んでいるのです。

自然の中にあっても、都会の中にあっても、大胆な色使いであるのに不思議にマッチしているのです。
例えばロサンゼルスの高層ビル群の中にある公園内に建つ建物は紫です。
都会の喧騒とストレスから開放される、ロスで働く人たちのリフレッシュ空間となっています。
レゴレッタの建築はいずれも癒しの空間となっていて、見るだけでストレスや苦しみを一瞬忘れる事ができるのです。

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