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ミース・ファン・デル・ローエの人物像と代表作

ドイツの建築家「ミース・ファン・デル・ローエ」

ドイツ出身の有名な建築家、ミース・ファン・デル・ローエとは、ル・コルビュジエ、フランク・ロイド・ライトと並ぶ近代建築三大巨匠の1人です。
「Less is more.」「God is in the detail.」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。
「より少ないことは、より豊かなこと」「神は細部に宿る」というコンセプトを掲げ、近代主義建築の発展に貢献したとされる巨匠です。

柱と梁によって構成されるラーメン構造を用いた設計を得意とし、ユニヴァーサル・スペースという考え方を生み出したことでも知られています。
モダニズムを追求した設計にこだわり、生涯に渡り抽象的なデザインの建築を行ったとされています。

ミース・ファン・デル・ローエの歩み

1886年ドイツのアーヘン生まれ、大学で建築を勉強したわけでもなく、地元の職業訓練学校にて製図工を学んだことがきっかけとなり、リスクドルフの建築調査部に勤務します。
漆喰装飾デザイナーとして経験を積んだ後、1906年にブルーノ・パウルの事務所に移り、1907年に設計したリール邸がミース・ファン・デル・ローエの最初の作品です。
これが認められ1912年までペーター・ベーレンス事務所にて師事した後、1912年には独立を果たします。
1929年にはバルセロナ万国博覧会のパビリオン建設に携わり、博覧会終了後は取り壊しになったものの1986年には復元され、現在はミース・ファン・デル・ローエ記念館としてバルセロナの人気の観光スポットになっています。

1930年からバウハウスの校長に就任しますが1933年ナチスにより閉鎖されたために1938年アメリカに亡命、1969年に没するまで数々の作品を世に送り出しています。
1938年からは現イリノイ工科大学の建築学科の主任教授を務めるなど後継者の育成にも貢献、1944年にアメリカ市民権を得ています。
1930年にチェコで手掛けたトゥーゲントハット邸は、2001年にユネスコ世界遺産に登録を果たした彼の代表的な建築物の1つです。

ミース・ファン・デル・ローエの代表作

1929年のバルセロナ万国博覧会で携わったパビリオンは、3枚の大理石の壁、鉄の柱、そしてガラスを使って構成された彼の代表作です。
壁と屋根というシンプルな発想によりデザインされており、装飾を排除した幾何学的かつ抽象的な空間構成を実現しています。
大理石、水といった自然を取り入れたモダニズム建築が特徴的で、分厚い大理石の壁が立ちながらも、ガラス張りで直線的なデザインを配することで建物の内外の境界をなくし、周りとの融和を演出しています。
いわゆるミース・ファン・デル・ローエの提示する「ユニヴァーサル・スペース」の概念を表現するものであり、この建物は建築家を目指すなら一見の価値ありです。

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