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木造の高層ビル建築は可能か?

木造で高層ビル?

高層ビルというと鉄筋コンクリート造か鉄筋鉄骨コンクリート造、そう決まっているわけではありませんが、通常こうした作りの構造物になると考えます。
しかし今、木造の高層建築がクローズアップされているのです。

日本には古くから今に残る奈良の法隆寺など、美しく堅固な建物が残っています。
そこで注目されるのが新たな高層ビルの工法として注目されているのが、木造なのです。

高層ビルに利用されるコンクリート造にはデメリットがある?

まずコンクリート造のメリットとしては、火事・地震などに強いという最大のメリットがあります。
逆にデメリットとして、自重を支える強度が必要となる事や費用が掛かる事、熱伝導率が高いことによって断熱、湿気への対策が必要という点があるのです。

現在木造建築で最高階数となっているのは、カナダにある学生寮ブロック・コモンズでこちらは18階建となっています。
このくらいの建造物でも木造なの?とびっくりしますが、新たに計画されている木造建築物の階数を知ると驚きです。

高層ビルの計画として注目されている新たな工法は「新しい木造」建築で、すでにアメリカでは「リヴァー・ビーチ・タワー」という「80階建て」の高層ビルについて、「ブナ素材」で建築しようという計画が進められています。

この計画ではクロス・ラミネーティッド・ティンバーという高い強度の合板の使用で計画されているもので、従来利用されてきた木造建築とはまた違う新たな木造材料を利用した建築なのです。
この建物が完成したら、木造建築がさらに目されることになるでしょう。

なぜ?木造が高層ビル建築に向くと考えるのか

コンクリート造等の高層ビルでデメリットになる事として紹介しましたが、自重を支えることが必要となります。
コンクリートは重いのでそれを支える構造が必要となり、それによって建築費用も大きくなるわけです。

しかし木材は軽く、強度がかなり高いものがあるので実は高層ビル建設に向いている建材となり得ます。
強度の問題さえクリアできれば、木造建築の高層ビルは夢ではなく、実現できるモノとなるといわれているのです。

日本でも木造高層ビル計画がある

住友林業といえば日本でも知名度の高い大手企業です。
その住友林業が地上70階建て、高さが350mというとんでもない木造高層ビル建築を計画しているといわれています。
この木造高層ビル計画では9割が木材という作りになるというから驚きです。

勿論これからクリアしていかなければならない問題もあるでしょうし、すぐに着工するということはないでしょう。
しかし2041年辺りには完成予定だという話もあるので、これはとても楽しみな計画です。

木造建築の魅力は耐久性にある

日本には地区年数が100年を超える寺院や仏閣など沢山の建物が現存し、世界中から観光客が訪れ見学されています。
古民家なども100年を超えるものが日本各地にあり、木造建築の耐久性はすでに現存する建物で証明されているといっていいでしょう。
奈良の法隆寺に至っては創建が604年、すでに築1400年以上という建物になります。

では地震はどうなのか?地震大国と呼ばれる日本に木造建築の高層ビルを建てるとなればこれも気になるところです。
しかし古くから地震が多かった日本の中で100年以上が経過する古民家を見れば、100年以上前から地震対策が施されていたことがわかります。

日本の古民家に見られる地震に対しての校オズは免震構造、つまり地震に耐えることのできる構造となっているのです。
地震エネルギーに耐える力を持っていれば倒壊しない、しかし考えていた以上の地震になれば負ける可能性もあると言えます。
木造建築の高層ビルに関して課題をあげるとすれば、この想定する地震をどのくらいにして地震に備えた作りにできるのか、という点でしょう。

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