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スティーヴン・ホール

アメリカを代表する有名建築家

今世紀初頭にアメリカ芸術文学アカデミー会員に選ばれたスティーヴン・ホールはアメリカ国内のみならず、アジア各国でもその才能を発揮している異色の建築家です。
デザインは独特で、代表建築にMITの学生寮がありますが、建築物が箱であるという概念を根底から打ち崩した斬新なデザインが特徴です。
建物をデザインするということの無限の可能性を世に知らしめた天才で、そこにいる事を楽しめる空間造りは、はこれから建築家を目指す人たちに大きな影響を及ぼしたことは想像に難くありません。

景観を損なわないというのが建築家に課せられた宿命ですが、ホールの建築は景観に溶け込み、かつ建物の持つ目的とマッチした内部構造が特徴的です。
例えばフィンランドのキアズマ現代美術館などは、美術館の内部も美術の一部であるかの様な特異な構造で、まるで手書きのデッサンを思わせる螺旋階段は有名です。
間近で見てもどうなっているのかがわからない不思議な構造で、建築のデザインは外側のみに非ずということを証明してみせました。

アジアでの活躍ぶり

ホールの建築家としての表現の原点となっているのが、20代前半に留学した際に見たローマのパンテオン神殿だと言われています。
パンテオン神殿は光の効果を巧みに取り入れた構造で、ホールの光と色へのこだわりに繋がって行きます。

福岡にあるネクサスワールド、スティーブン・ホール棟は集合住宅ですが、様々な形状のガラス窓を組み合わせた入口が特徴的です。
1991年に完成し四半世紀経った今も尚人気のある物件となっています。
外観だけでなく、内部も特徴的であることと、有名建築家によるデザインであることで、空き物件は直ぐに埋まってしまいます。

ホールの建築は地震が少ないとされている中国で、その個性がいかんなく発揮されています。
有名なのは北京にあるリンクト・ハイブリッドです。
高層ビル一棟一棟がまるで柱の様に林立し、それ橋でつなぐなどという発想があっても、地震大国である日本では実現不可能です。

深圳にあるヴァンケ・センターは宙に浮いている様なデザインで、内部も独特なフォルムが注目されています。
一見不安定そうに見える構造はまるで重力に逆らう様な形状で、何にも縛られない自由な発想が目を見張ります。

デザインの方法

ホールは自分でPCを操り3D画像を作成する事はしません。
70歳近いこともありますが、まずデッサンをすることから始めると言います。
建築物を頭に思い浮かべ、頭の中で計算をして就寝し、翌朝脳内で完成した建物のデザインがを描きます。

描くことはホールにとって重要で、リラックスした状態でスケッチに色を着け、それを図面に起こすのはその道の専門家の仕事です。
全てを自分ひとりで行う必要はなく、アイディアがあり、建築家としての知識があれば、それ以降の作業は自分でなくとも良いのです。

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